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生活保護-保護施設
◆総論
□「生活保護は居宅保護を原則としている。しかし、対応困難なケースについては施設での入所保護を行うこととしている。現在では「生活保護法」に基づく保護施設として（1）救護施設、（2）更生施設、（3）医療保護施設、（4）授産施設、（5）宿所提供施設の5種類が設置されている。全国的には減少傾向ではあるが、2010（平成22）年10月1日現在の施設総数は297施設、在所者は約19,745人である。なお、救護施設では他の施設で受け入れ困難な重複障害者や精神障害者などの生活施設として、今後も重要視されている」（鬼崎［2014：93］）
◆救護施設
1）救護施設
2）更生施設
3）医療保護施設
4）授産施設
5）宿所提供施設
◆救護施設
□「生活保護法第38条に規定されている保護施設の一つで「身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行うこと」を目的とする施設。救護施設の入所者は、他法に規定される単一の障害を対象にした重複障害者や精神障害者が多く、きわめて多様な障害や病状を有する者が入所している。1989年より通所部門が設けられ、1994年より救護施設対処者などを対象とした相談援助事業が実施されている。他の保護施設が横ばいもしくは漸減傾向にあるなか、救護施設数は微増しており、その存在意義は大きい」（松端［2013b：57］）
◆更生施設
□「生活保護法第38条に規定されている保護施設の一つで「身体上又は精神上の理由により養護及び生活指導を必要とする要保護者を入所させて、生活扶助を行うこと」を目的とする施設。更生施設の入所者には多様な障害を抱えた者が多いが、近年精神障害者の入所が増加している。生活扶助を行うと同時に社会復帰を目的にした施設であるため、救護施設に比して障害の程度は軽く、施設での救助内容は、入所者の勤労意欲の助長や施設退所後健全な社会生活が営めるようにするための生活指導に加えて、施設退所後自立するのに必要な技能修得のための作業指導に力点がおかれている。施設数は横ばい状態である」（松端［2013c：84］）
◆医療保護施設
□「生活保護法第38条に規定されている保護施設の一つで「医療を必要とする要保護者に対して、医療の給付を行うこと」を目的とする施設。医療保護施設は医療を必要としている要保護者に対し、診察や治療などを行う施設であるため、指定病院や診療所の許可病床という形態がとられている。したがって、職員も対岸が病院職員との兼務である。医療保険制度が充実し、指定医療機関による一般の対応が充実してきているものの、低所得層の医療対策として、とりわけ入院を必要とする行路病人や住所不定者の医療対策としては一定の役割を果たしている。施設数は微減状態にある」（松端［2013a：16］）
◆授産施設
□「生活保護法第38条に規定されている保護施設の一つで「身体上若しくは精神上の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている要保護者に対して、就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えて、その自立を助長すること」を目的とする施設。授産施設は生業扶助を主たる目的とする施設である。利用の形態としては、通所による施設授産と内職を斡旋し家庭に材料を搬送して加工後回収するという方法をとる家庭授産とがある。通所授産では障害者の利用が多く、家庭授産では通所が適当でないと判断される母子世帯などの利用が多い。施設数は漸減傾向にある」（松端［2013e：181］）
◆宿所提供施設
□「生活保護法第38条に規定されている保護施設の一つで「住居のない要保護者の世帯に対して、住宅扶助を行うこと」を目的とする施設。宿所提供施設は住居を提供することで住宅扶助を行うことを目的とする施設である。したがって、施設での援助内容は、利用者の生活の相談に応じるなど利用者の生活の向上を図ることが中心で、身辺介護などは基本的には行われない。近年公営住宅の整備などに伴い、社会的な役割は縮小しつつあり、施設数は減少傾向にある」（松端［2013d：181］）
▼関連法律
◇生活保護法→http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO144.html
▼文献
●松端克文、2013a「医療保護施設」山縣・柏女編集委員代表［2013：16］
●松端克文、2013b「救護施設」山縣・柏女編集委員代表［2013：57］
●松端克文、2013c「更生施設」山縣・柏女編集委員代表［2013：84］
●松端克文、2013d「宿所提供施設」山縣・柏女編集委員代表［2013：181］
●松端克文、2013e「授産施設」山縣・柏女編集委員代表［2013：181］
■山縣文治・柏女霊峰編集委員代表、2013『社会福祉用語辞典 〔第9版〕』ミネルヴァ書房．
■鬼崎信好編、2014『コメディカルのための社会福祉概論〔第2版〕』講談社.
▼関連
◆20130808, 1115, 20141105
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