大谷いづみ（おおたに・いづみ）

▼人
□立命館大学教授。
◇生存学HP→http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/g/oi01.htm
◇HP→http://devita-etmorte.com/index.html

▼文献
●大谷いづみ、2004「生と死の教育」『現代思想』32‐4（2004-4）：142‐157.

▼引用
●大谷いづみ、2004「生と死の教育」『現代思想』32‐4（2004-4）：142‐157.
□「米国型バイオエシックスの文化的限定性とは何か。ひとつには徹底した個人主義にもとづく自己決定権の主張であり、今ひとつには、自己決定の原理が「最大多数の最大幸福」という功利主義に支えられ、市場原理と結びついた点である。結果、バイオエシックスが基本原理とする自己決定権の恩恵を受けるのは、十全な医療保険に加入した上で自律的な生と死を選択できる白人中産階級に限られることになる」（145）

□「仮に「生と死の自己決定」が現在の先端医療の現場で問題となっている要点であるにせよ、その「自己決定」をとりまく社会構造が問われ、自己決定の原理が持つ文脈依存性が問われなければ、議論それ自体が、生と死を論理で持てあそぶ知的遊戯にしかならない。知的訓練にはなるのだろうが、そのことによって、生と死をあたかも自らの意思ひとつで設計し、決定し、選択できるかのような生命観を育むだけでなく、その結果を自らの私的な責任において引き受ける責務を個々人に負わせるような価値観を社会に形成することになりかねないのではないだろうか」（147）

△キーワード：自己決定

◆20100214, 0305, 0502, 0523, 20130106

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