Ingarden, Roman.（1893-1970）

▼人
□哲学。ポーランド。

▼文献
■Ingarden, Roman. 1975. KSIĄŻECZKA O CŁOWIEKU, Wydawnictwo Literackie.＝武井勇四郎・赤松常弘訳、1983『人間論――時間・責任・価値』法政大学出版局.

▼引用
□第五章「責任について――その存在論的価値」
□「何かあることに責任を負うべきこの「誰かある人」すなわち行為者は、人間以外にはありえません。しかしすべての人間が責任を負うことができるのではなく、またあらゆる情況においてそうであるのではありません。行為の瞬間においてそれを意識している人間、「正常」で、状況を支配するに不可欠な諸能力を有しているすべての人間、何かを行なったり、あるいは何か特定のことを行なうべき瞬間にそれを中止することもできる人間のみが、真に責任を負う行為者と見做されます」（61）

□「行為者がそれに対して責任があるところのものは二種類あります。その一つは行為であり、他の一つは行為によってもたらされるもの、ことにそれによって実現されるもの、つまり結果であります」（61）

□「行為者は、彼が行なった行為が自らの行為である場合にのみ、その行為とその結果に対して責任があります。
　まず明らかにすべきは、ある行為がある人間の自らの行為であるとは何を意味するかということであり、次に根拠づけるべきは、行為者はなぜ自らの行為に対してのみ責任があるのかということであります」（67）

□「ところで、行為者は多くの場合、彼の行為とその結果に対して責任を引き受けます。ということは、なかんずく、彼が自分の所為だから自分で責任を負うべきだと認めているということを意味しています」（79）

□「責任が行為者によって担われ、また行為者によって解除されうるためには、行為者の同一性、特にその人格的存在の同一性が存在しなければなりません」（98）

□「自己の行為に責任を負うべき人格は、その決定と行為において自由でなければなりません」（109）

◆20100103, 1225, 20130105

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