平川秀幸（ひらかわ・ひでゆき　1964-）

▼人
□大阪大学准教授。
◇HP→http://hideyukihirakawa.com/index.html

▼文献
●平川秀幸、2003「リスク、不確実性、悲劇性――科学主義的リスク言説が置き去るもの」『現代思想』31-9（2003-7）：156-6.

▼引用
●平川秀幸、2003「リスク、不確実性、悲劇性――科学主義的リスク言説が置き去るもの」『現代思想』31-9（2003-7）：156-6.
□「リスクは、ルーマンに始まるリスク社会学が強調するように、伝統的な世界観や価値観、慣習が大きく揺らぎ、個人の意思決定に基づく選択の幅と、それに伴う未来の不確実性が飛躍的に拡大したと同時に、物事の原因を神や悪霊、人知と人力を超えた運命に求めることをやめた「脱魔術化」された近代社会を特徴づける概念でもある。いいかえればリスクは、選ぶことも選ばないこともできる人間の自由な行為の選択に伴うものであり、とりわけその脅威の由来（原因または責任）を、その選択に「帰責」する点で、神や悪霊、運命など超人的なものや、自然現象など人間社会の外部に由来を求めるものとしての「危険」と区別されるのである」（157）

□「たとえば地震のように地殻変動という明らかに人間以外のものが原因となってもたらされる脅威についても、地震が起こりやすい（または弱い地盤の）地域に住み続けるかどうか、住宅や都市の耐震性の改善、緊急危機管理体制の整備など、個人または社会によるリスク管理措置をとるかどうかの選択の対象とされ、結果についても、個人の自己責任や行政責任が問われるようになっている」（157‐8）

△キーワード：リスク　自己責任

◆20100220, 0301, 0502, 0519, 0523

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