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原田正純（はらだ・まさずみ 1934-2012）
▼人
□「1960年からの半世紀の間、「患者さんこそ、水俣病の専門家」を合言葉に、患者の立場から水俣病にかかわり続けている医師・研究者。鹿児島県生れ。1964年、熊本大学大学院修了、医学博士。熊本大学精神神経科講師・助教授を経て1999年より熊本学園大学教授。水俣学を提唱し、実践する。胎児性水俣病、三池一酸化炭素中毒、土呂久・インド・タイ・中国の砒素中毒、カネミ油症・ベトナムの枯葉剤の影響、カナダ・ブラジル・中国・アフリカなどの水銀汚染などに関する社会医学的な調査研究を行う」（成［2012：1046］）
▼文献
●原田正純、2006「水俣病五十年、見てしまった責任」水俣病公式確認五十年誌編集委員会［2006：279-282］
■水俣病公式確認五十年誌編集委員会、2006『水俣病の50年――今それぞれに思うこと』水俣病公式確認五十年事業実行委員会（海鳥社）.
▼引用
●原田正純、2006「水俣病五十年、見てしまった責任」水俣病公式確認五十年誌編集委員会［2006：279-282］
□「［…］私は、東京とここ水俣の患者村が同じ日本という国とは思えないほどの落差に愕然とした。罪も落ち度もないこの人たちが、このような不条理にあっている現実を見たわたしは、怒り、同時に見てしまった責任みたいなものを背負ってしまった。そして、水俣通いが始まった。
たとえば、私がひき逃げ事故を偶然に目撃したとする。それまで、事故の当事者とは全く関係がない者が目撃したことによって、見た責任みたいなものを背負い込むことになる。もちろん、交通事故と水俣病を同一にすることはできない。水俣病は交通事故と異なって、私たちの生活と深く関わっているのであるから、見てしまった責任はなおさら大きい」（原田［2006：281］）
▼参考文献
●成 元哲、2012「原田正純」大澤・吉見・鷲田編集委員・見田編集顧問[2012：1046]
■大澤真幸・吉見俊哉・鷲田清一編集委員・見田宗介編集顧問、2012『現代社会学事典』弘文堂.
◆20120814, 20130113
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