Fletcher, Joseph.（1905-1991）

▼人
□状況哲学。アメリカ。

▼文献
■Fletcher, Joseph. 1966. Situation Ethics : The New Morality. The Westminster Press. ＝1971→1972、小原信訳『状況倫理』新教出版社.
■Fletcher, Joseph. 1967. Moral Responsibility : Situation Ethics at Work. Westminster Press.

▼メモ
◆状況倫理
□「神学的な「神に対する責任」の系譜に連なるものとして「状況倫理（situational ethics）」を挙げることができる。「状況倫理」については、Fletcher[1966＝1971→1972][1967]。「状況倫理」は「聖」（律法）と「俗」（目的）の間で、信仰を維持するための論であり、一種の「決断主義」の採用と、理解することができる。
　「状況倫理」の系譜に連なる、ニーバー（Niebuhr, H. Richard）の『責任を負う自己』を訳出した小原信はつぎのように述べる。「ニーバーにおいては、社会も歴史も、結局は、彼の徹底的唯一神論に基づいて考えられているから、社会と歴史に対する応答は、普遍かつ永遠なる神に対する応答になるわけで、人間の応答はすべてたんなる反応や応答でなく、神の前での神に対する応答となってくる」（小原信[1971:308]）。
　ニーバーについては、Bellah他[1991＝2000：297-301]においても言及されている。ベラー（Bellah）らにも、神に対する責任という視点は、一貫しており、つぎのように述べてもいる。「自由は純粋な人間的達成ではなく、神の賜物である。それゆえ、それを受けた者には深い責任が課せられる」（Bellah他[1991＝2000：258]）」

△キーワード：責任　状況倫理　フレッチャー

◆20100117, 0903, 20130104

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